2016.3.9.

とりかつLOVE

 
岩手県の玄関口、一ノ関駅を出て右手に歩いて30秒。
せっかちな人なら20秒かからないほどの距離に、その1軒の食堂はある。
 
食堂の名前は、「駅前食堂 いわぶち屋旅館」。
 
古き良き昭和の香り漂う、アットホームな雰囲気で、ちいさいけれどもいつもきちんとしていて、地域愛が感じられる展示物や、店主らしい味のあるややファンシーな小物の置いてあるお店に入ると、いつも、「ほっ」とした気持ちになる。
私は勝手に「癒し系食堂」と呼んでいる。
昭和45年から掲げられている木製の巨大なお品書きは、もはや文化財レベルである。
見ていて飽きない。
 
店主は私と同級生である。
高校時代からの古いつきあいで、気さくでやさしい、いい人物である。
高校で応援団をいっしょにやっていた時、つまり、「漢」を「おとこ」、「強敵」を「とも」と読む系のことをやっていた時代は、ヒゲをはやして長髪で、まるで北斗の拳の「トキ」みたいな、どう考えてもちょっとやばいひと的な(うそよ、うそ)風貌だった。
当時私もがんばってヒゲを伸ばしたかったのだが、残念ながら産毛程度しかはえなてこなかったので、彼の立派なヒゲを非常にうらやましくおもっていた。
いまは髪型も人格もめっきり丸くなり、かわいらしく控えめで感じのいい奥様と二人、仲むつまじくお店を経営している。
 

食堂の夫婦

 
基本的にメニューはどれも美味しいが、とくにおすすめしたい一品がある。
 
それは「ソース鶏カツ丼」。
 
ぴり甘辛風ソースをからめた、あつあつでジューシーな鶏カツを、シャキッとした千切りキャベツにのせたどんぶりで、この組み合わせが絶妙である。
 
もちろんそのまま食べてもよろしいが、私は同級生の特権でワサビを小皿にすこしわけてもらう。
ときどき鶏カツにちょっとワサビをつけて食べると、これがまたすごくおいしい。
 
ソース鶏カツ丼が新しくメニューに登場した時、あまりに美味しかったので、私が勝手に鶏カツ愛を前面に打ち出した写真をつくり、強引にお店に飾らせてもらった。
そのぐらい好きである。
 
それからここんちは、ラーメンもうまい。
私がここでラーメンを頼む時は、調子こいていつも2杯注文する。
1杯目が食べ終わる頃に2杯目がでてくるので、ものすごくうれしい。
本当はスープも全部飲みたいのだが、私は高血圧のためそれができないのが無念である。
いわゆる正統的な「中華そば」の流れをくむと推察されるここんちのラーメンは、かまぼことしなちくがこれまた絶妙な…
 
(話が長くなるので強制終了)
 
とにかく、一関にお出での際は、ぜひお立ち寄りください。
 


駅前食堂 いわぶち屋旅館
「ソース鶏カツ丼」・・・700円 (2016年3月現在)
 
国産の鶏胸肉を使用し、自家製のソースにからめました。
キャベツとの相性がいいです。
ちょっとこってりですが、あるものを加えるとさっぱりと召し上がれます。
駅前食堂 いわぶち屋旅館公式ホームページより転載